
寝ぐせの王様、ミクジンです
この記事は、オレの心に響いたものを勝手に紹介して書きまくるワガママシリーズです。
BUMP OF CHICKEN『Small world』
2021年11月1日配信リリース。
この曲は、映画『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の主題歌として作られました。
BUMP OF CHICKENが大好きなオレは配信と同時に聴きまくっていたのですが、聴けば聴くほど、歌詞を見れば見るほどに、心の奥に何かあたたかいものが込み上げてくるのを感じました。
そのあたたかいものの正体が知りたくていろいろ考えたんだけど、歌詞の中にある「僕は僕でよかった」という言葉が、この曲のすべてを表しているような気がしました。
そんなわけで今回は、BUMP OF CHICKEN『Small world』を聴いて思ったことを書きなぐります。
目次
いろいろと下手くそな僕
いろいろと下手くそな僕は
この道しか歩いてこられなかった
出来るだけ転ばないように
BUMP OF CHICKEN『Small world』
冒頭の歌詞で「いろいろと下手くそな僕」が出てきますが、「この道しか歩いてこられなかった」と続くのを見て、
あぁこれはオレだ
と思いました。
これまで生きてきた中で、大切に思っていたものもあったし、ずっと一緒に歩きたいと思っていた人もいました。
だけどかつてそう思っていたものはいつの間にかなくなり、一緒に歩きたかったはずなのに、気が付けば互いに違う道を歩いていた。
なくしたことで落ち込んだから、もうできるだけ傷付かないように、転ばないように歩いて、今ここにいるんだろうなと思います。
人生においてそう思う瞬間はきっとオレだけじゃなく、誰にでもあることで、そんな自分のことを「いろいろと下手くそな僕」だと思っても仕方ないのかもしれません。
だけど、冒頭の歌詞の最後にはこんなふうに付け加えられています。
そして君に出会えた
BUMP OF CHICKEN『Small world』
そして君に出会えた
この「そして君に出会えた」には、ものすごく深い意味が込められているように思います。
だって「いろいろと下手くそな僕」なのに、この道しか歩いてこられなかったのに、ここには君がいて、そして出会うことができたんです。
逆に言うと、
この道を歩いてこなければ、君とは出会えなかった
ということ。
この道しか歩けなかったことを、ずっと後悔していたのかもしれない。
自分で選んで、好きで歩いてきた道ではなかったのかもしれない。
だけどそうして歩いてきた道には君がいて、出会うことができた。
人生ってのはほんとに何が起こるか分からなくて、選択を間違えて後悔して「終わった」なんて思うこともあります。
だけど「終わった」とすら思った出来事で、望んだわけじゃない方の道に行ったから、その道でしか出会えない素晴らしい出来事があったりもする。
いろいろと下手くそな僕は
この道しか歩いてこられなかった
出来るだけ転ばないように
そして君に出会えた
BUMP OF CHICKEN『Small world』
冒頭のこんな短い歌詞だけど、
「下手くそでもいいんだよ」
「この道しか歩けなくてもいいんだよ」
「転ぶのを怖がったっていいんだ」
「いつかは素晴らしい出来事に出会えるから、そのままでいいんだ」
そんなふうに言ってくれているようで、あたたかい気持ちになりました。
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分けられない一人だけの世界
まぶた閉じてから寝るまでの
分けられない一人だけの世界で
必ず向き合う寂しさを
きっと君も知っている
BUMP OF CHICKEN『Small world』
だけど、どんなに素晴らしい人や出来事に出会ったとしても「自分はひとりだ」と思う瞬間はあって、そんな時に寂しさを感じてしまうのは仕方ないのかもしれません。
それはきっと、側にいることはできても、『相手の心の中の本当のところ』まではどうがんばっても行くことができないから。
目を開ければいろんな情報が入ってはくるんだけど、本当はどう思っているかなんて、心の中をのぞいてみないことには分からない。
すぐに言葉間違えそうで
傷付けたり怒らせたりしそうで
気をつけるようにしていたら
ただ喋れなくなっていた
BUMP OF CHICKEN『Small world』
だからこそ寂しく感じるし、どうしたらいいか分からなくなることもあるし、時には喋れなくなったり、動けなくなったりもする。
自分以外の「本当のところはどうがんばっても分からない」というのはたぶん事実なんだけど、そう考えると「自分のいる世界はどんだけ小さいんだよ」と思います。
君だけの思い出の中の
君の側にはどうやったって行けないのに
涙はそこからやってくる
せめて今 側にいる
BUMP OF CHICKEN『Small world』
そんな小さい世界の中では「自分が今できることをやるしかない」から、悩んだり迷ったりしながら、みんな生きているんだと思う。
そうして選んだ選択肢が正解なのかは分からないけど、それでも「なんとかしたい」「繋がっていたい」と思っているはずだから。
僕は僕でよかった
…そんなことを考えていたら、昔の彼女とのことを思い出しました。
「なんとかしたい」と思っていろいろやってみたけど、結果的に別れてしまったということは、オレはたぶん選択肢を間違えたんだろうと思います。
だからやっぱり今だに自分のことを「下手くそ」だと思うし、「もう転びたくない」とも思う。
だけどこうも思います。
今ここでこうして笑っていられるのは、彼女のいないこの道しか歩けなかった「おかげ」なんだと。
とはいえ当時のオレが「ずっと彼女と繋がっていたかった」と願っていたのは間違いありません。
叶わないままの夢は
どんな光より綺麗で
変わりたいのに
変われないままだから苦しくて
BUMP OF CHICKEN『Small world』
だからその願いが叶った先にあったはずの道を想って落ち込んだし、選択を間違えたことに、心底絶望したりもしました。
でもそうやって失敗したと思った道の先には、いつの間にか心から笑えている、当時の自分からしたら考えられないような楽しい道がありました。
それに気付いた時、かつては「この道しか歩けなかった」と思っていたはずなのに、今では「この道でよかったのかもしれない」と思えていることに気付きました。
彼女と出会ったこと、別れてしまったこと、そしてたぶん過去の出来事すべてのおかげで、今自分はこの道にいる。
流れ星ひとつも 気付けなくても
君を見つけて
見つけてもらった僕は
僕でよかった
BUMP OF CHICKEN『Small world』
下手くそだから正解に気付けなかったけど、これからも上手に生きれないかもしれないけど…。
それでも今ここに来れたのは、間違いなく「自分だったから」としか言いようがない。
だから自分が下手くそだと分かっていても、望んだ道を選べなくても、自分を責めてばっかりじゃなく、「僕は僕でよかった」と少しだけ許してあげてもいいんじゃないかなぁと思います。
だって『僕』にしか行けない道がきっとあるから、『僕』にしか見つけられない素晴らしいものがきっとあるから。
そして僕はたぶん、どこまで行っても僕でしかないんだから。
当時の彼女とはいろいろあったけど、今だからこそ伝えたいんだ。
「出会ってくれてありがとう」と。
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小さな世界
生きていくということは、『Small world』というタイトルにあるように、自分を中心とした小さな世界の中で悩んだり、怒ったり、笑ったりしていくことなのかもしれません。
深く考えれば考えるほど「分かるのは自分のことだけじゃん!」ってな感じで、なんだか寂しい気持ちになったり、分からないゆえに失敗したりもするんだけど…。
でもだからこそ、唯一だいたい分かっている自分に対して「僕は僕でよかった」と思ってあげられたらいいのになと思うんです。
だってそう思えた時には、世界がまったく違って見えてくるから。
たとえば悩んだり落ち込んだりしている時には、自分と関係のないものなんて見てる余裕がなくなり、小さな世界はより小さくなります。
でも逆に楽しい時には、道端の小さな花を見て笑顔になったり、雲の形が変わるのを見てワクワクしたり、何気ない小さな幸せにも気付いたりする。
そしてその時には、外の広い世界を感じることができていて、繋がっているんだと思います。
どこかへ向かうパレードも
誰かの歌う声も
僕らにはひとつも関係ないもの
一緒に笑ったら その時だけは全部
僕らのもの
BUMP OF CHICKEN『Small world』
小さな世界だけで生きるのも、外の世界を感じて繋がるのも、すべては自分次第。
たまには失敗もするし、道を間違えることだってあるかもしれないけど…。
きっと世界は広いから、少しだけ自分を許してあげて、笑って生きていけたらいいなぁと思います。
僕は僕でよかった。