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その島にはかつて野菜を作る村があり、毎日農作業に精を出す心優しい人々が暮らしていたという。
…だが、ある夜からその村は変わった。
初めは祝いの宴だったのかもしれない。
不毛の大地を豊かな土地へと開拓し、苦労して作った野菜を収穫する喜びを、皆で分かち合おうとしたように思う。
それなのになぜこんなことになったのか、もはや知る者はいない。
島を訪れる者よ。
あなたが島に上陸し、村へ足を踏み入れてしまわないよう願ってやまない。
私はかつてあの村へ迷い込み、命からがら逃げてきた。
そこで撮ってしまったいくつかの写真をこれから紹介しようと思うが、決して行ってはならない。
これは警告だ。
そこはもはやかつての農村ではない。
行けばあなたはきっと…、
収穫される。
謎の被り物を着ける住人たち
私が村に近付いてしまった時、楽しそうな音楽が聞こえてきたのを覚えている。
もしかしたら何かの祭りが行われているのかもしれないと思い、私は少しワクワクした気持ちで村の入り口らしき場所へと誘われた。
そこで私が見たものは…。
…………!
謎の被り物を着けた謎の村人たちが、謎のダンスを踊っている姿。
よく見れば女子や子供も混ざっていた。
一体なんなんだこの祭りは…。
皆手にはクワを持ち軽快なダンスを踊っていたが、中には魔物とおぼしきミミズのような者も混ざりこんでいた。
…私は瞬間的に思った。
見つかってはならない、と。
いくつかの修羅場をくぐってきた私の生存本能が、この村は危険だと知らせていた。
見つかってしまったらきっと…生きてここを出ることは不可能だと思った。
しかし…危険はすぐそこまで迫っていた。
命運を分けた選択
見られた……!
視線を感じて振り向くと、村の見張り台とおぼしき場所からこちらを見る人影があった。
このままではまずい!
どうすればいい…一体どうすれば…。
あ、あああああれだっ!
被った。
近くに運良く落ちていたアレを被った。
そして楽しげにブランコに乗ることで、なんとか正体がバレずに済んだようだった。
少しでも油断したら殺られるに違いない。
…しかしせっかく手に入れた被り物。
「少しだけ村の中を見てまわろう」
そんな気持ちになってしまった自分がいた。
それが間違いだとは…この時の私はまだ気付いていなかった。
邪神を崇拝する村
私は思いきって村人に近付いてみた。
一見楽しそうに見える彼らだが、私が被り物を脱いだら即座に襲われるだろう。
そのガッツポーズには一体どんな意味が…。
…………え?
うわ…うわあああああ
持ってる…!
いつのまにか持ってるううう…!
誰が私にこんなしかばねをっ…!
私は叫びたくなるのを必死で抑え、その場から速やかに離れた。
ひぃいいいいいい
ミミズのおばけに食べられるううううう!
はぁ…はぁ…
私は畑まで逃げた。
追ってくる様子もないし、とりあえずここなら安全そうだ。
…………あ。
邪神像…!
畑にはカカシに紛れて邪神像が。
まさか…この村では邪神を崇拝しているのか。
なんと恐ろしい…。
さ、祭壇まで…!
もう間違いない。
この村では邪神を崇拝し、旅人をイケニエに捧げているに違いない。
その証拠に、祭壇付近にはたくさんのしかばねが転がっていた。
気付くのが遅ければ、私もきっとイケニエにされていただろう…危なかった。
…もうここを出よう。
これ以上は死を意味することになる。
こうして私は村を離れた。
近付くなかれ
もう一度言う、これは警告だ。
絶対に足を踏み入れてはならない。
そこはもうかつての農村ではない。
そしてもはや、収穫祭は野菜を収穫する祭りでは…ない。
人の命を収穫する祭り。
それが…。
えいえんのしゅうかくさい
なにこれ…
こっちの路線かぁーーって、ただただ感服いたしました(◍ ´꒳` ◍)