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寝ぐせの王様、ミクジンです
これを書いている時点でオレには、人生の中で結婚したいと思った人が2人いました。
2人目の話はだいぶ前に書いたことがあるのですが、今回は最初の人のことを書きたいと思います。
大好きな人と付き合っていた頃はいろんなものがキラキラしてて、世界が本当に輝いて見えていたように思います。
でも別れってのは突然やってきます。
別れた直後は辛いとか悲しいとか苦しいとか、いろんな感情が入り乱れてわけが分からなくなったりするけど、やがては時間とともに思い出に変わっていく。
思い出に、過去にすることで人はまた生きていけるのかもしれません。
書き出したら長くなりそうだったので、何回かにわけて書こうと思います。
気がむいたら読んでみてください。
出会い
当時、自分は19歳だったかな?
出会いはありがちな感じでした。
基本的に人付き合いが苦手なオレの、当時唯一の女友達の友達が元彼女です。
オレは人付き合いが苦手ですが、女の子は特に苦手。
今ではなんぼかマシになったけど、当時は女の子とみるや変に意識してしまって、目も合わせられないくらいでした。
それなのに唯一の女友達は、オレと二人でカラオケの約束をしてたのに、その子を連れてきてしまったのです。
今思えば女の子が苦手なオレにチャンスというか、克服する機会をくれようとしてたのかなと思ったりしますが…。
知らない女の子が来たので、一気にテンションが下がるオレ。
う、歌いたくねぇ…。
早く帰りたい。
心の中はそんな感じ。
しかしその子はいい子でした。
たぶん女友達から、オレが女の子が苦手だと聞いていたのでしょう。
向こうから話かけてくれました。
でもその時はあまりたいした返事もできなかったし、話もそんなに弾まなかった。
そもそも顔もほぼ見てなかった気がする。
自分相当ダメなやつだなーと思ったのを覚えてます。
そんな出会いだったけど、それ以来女友達は何かにつけてその子を連れてくるようになりました。
最初は顔も見れなかったオレですが、毎回積極的に話かけてくるので、少しずつ顔も見れるようになっていきました。
その子はよく見たら背が小さかった。
150あるかないかくらい。
そんなことにも最初は気付けなかった。
そして元気で活発で優しい子でした。
女の子というか、男友達と接しているような感覚だった。
あまり化粧っ気もないし、慣れたらやたらと叩いてくるし。
しばらくすると、笑いながら叩かれたり叩き返したりするような、一緒にいて楽しい存在になってました。
人の何倍も固く閉めている、オレのどうしようもない心の扉をこじ開けられたような気がします。
いや、蹴破ったのかな。
なんてやろうだ。
告白?される
まだその時は二人だけで遊んだこともなかったし、連絡先すら知らなかった。
だけどそれは突然やってきました。
その子は当時、介護系の専門学校に通うため、実家のある山形から仙台の寮へ来て住んでいたのですが、ある日たまたま寮まで送って行った時のことです。
寮の前に着いた時、その子は突然、
「あのさ、付き合ってみる?」
そう言いました。
「???」
唐突すぎて何を言ってるか分からなかった。
たぶんオレは「ほえ?」というアホみたいな顔をしてたと思う。
「んーとね、たぶん好きっす」
オレの返事を待たずに続ける彼女。
ボーッとする頭の中で、言ってることをなんとなく理解したものの、突然のことでわけが分からなかった。
オレは震え声でこう言いました。
「あ、うーん。えーと、とりあえず番号交換しよか?」
「あ、そうだね。順番がハチャメチャだよね。じゃとりあえずそうしよ」
番号を交換しながら、オレは必死で状況を整理しようとしました。
ちょっと落ち付けオレ。
付き合ってみる?ってなんだ?
お試し?
たぶん好きって…フライングか?
そもそも今までそんな素振りあったっけ?
オレはこの子のことどう思ってんだ?
うーん、うーん。
…整理できなかった。
「そ、そんじゃとりあえず今日はこれで」
パニック気味で番号を交換し、なぜだかその場から逃げだしたいような気持ちがこみ上げてくるオレ。
思い返すと「おめえは女子かよ!」と言いたくなる様子だったと思う。
「うん、まぁ難しく考えないでね」
去り際に彼女は言った。
…このやり取りすげー覚えてるんですよね。
前フリなしで「付き合ってみる?」っていう告白の仕方あまりないんじゃないだろうか。
こちとら心の準備も何もありゃしない。
告白なんてされたのも初めてだったから、なおさらだったと思う。
しかも「たぶん好きっす」?
フライングだろ絶対。
付き合うことに
告白らしきものをされ番号を交換したものの、一応答えを出してから連絡しないといけないような気がして、連絡は控えてました。
オレはあの子のこと好きなのか?
その時は分からなかった。
確かに一緒にいて楽しいけど、まだ二人だけで遊んだこともない人。
というか二人だけで遊びたいなんて気持ちもなかったような…。
そもそも人付き合いが苦手なオレは、普通に男友達と遊ぶことすらその気になるのが大変なのです。
だから友達も少ないのです。
「難しく考えないでね」
って言われても、考えるよそら。
付き合うなんて、人付き合いの苦手な自分にとってはなんだか少年からの卒業というか、もうそれって結婚みたいなもんだろ!ってくらい大げさな事に思えた。
いやあれは現実の出来事じゃなかったんじゃないかな、きっと。
そんな感じでよく分からないまま番号交換から1週間くらいたったある日、その子から初めてのメールが。
アシタアエル?
当時はスマホなんてものもなく、PHS(ピッチ)だったのでカタカナです。
よく分からない気持ちのままだったけど、そればっかり考えてたので会って話をしてみようと思いました。
で、次の日。
「こないだは突然ごめんね」
その子はニコニコ笑いながら言った。
「うんまぁ、ビックリした」
なんて答えていいか分からないオレ。
「だよね。じゃああらためて言うね。私と付き合ってみない?」
相変わらずニコニコ笑う彼女。
「ん?あぁうーん…そうすっか」
「よっしゃ!じゃあよろしくね」
こんな感じのやり取りだったと思います。
「よっしゃ!」って…言う?
今考えたらなんか軽いなぁ。
その時なんで「そうすっか」と言ったのか、自分でもよく分かりません。
「暇だからうちでゲームでもしない?」みたいな軽い感じだったからそう言ったのかも。
ともかく、実感は全然なかったけどこうして付き合うことになりました。