ある超有名な宗教の集会に参加した話。真っ直ぐに信じるのは怖いことだ

ミクジン
ミクジン

寝ぐせの王様、ミクジンです

前回、職場のいじめで精神を病んでいた女友達の話を書きました。

その友達からまた電話がかかってきて(相変わらず公衆電話)、「ある場所に付き合ってほしい」と言われ、行ってきました。

「場所は当日言う」とのことで、独り身でヒマなオレは気楽にオッケーを出したんだけど…。

それがまさか、

宗教の集会だったとはね…。

今回は初めて参加したある宗教の集会の様子と、参加してみて思ったことを書きたいと思います。

超有名な宗教だった

待ち合わせをして彼女を車に乗せ、『ある場所』ってのがどこなのか聞きました。

彼女はちょっと言いずらそうだった。

「実はわたしの家、みんなある宗教に入っていて、月に1回集まりがあるんだ。これまでは引きこもっていて参加してなかったんだけど、久しぶりに参加してみたい。でも一人だと心細いから付き合ってもらおうと思って」

そう言う彼女からなんの宗教なのか聞くと、それは誰もが知っている超有名な宗教でした。

両親が信者で、彼女は物心ついた時から集会やその他イベントに参加してきたのだそう。

生まれた時から参加していたので、彼女にとってはもうその宗教の中にいるのが当たり前で、精神を病んで宗教から離れていた今までの方が異常なのだそうです。

その宗教の活動に参加していた時は、信者ではない一般の人たちから変な目で見られることも多かったらしいですが、彼女はそれがなぜなのかよく分からなかった。

でも少し離れていたおかげで客観的に見ることができそうなので、「改めて参加してみたい」ということでした。

集会は友人だと言えば気軽に参加できるそうなので、オレを誘ったみたいなんだけど…。

くそっ、最初に聞いてれば断ったのに!

オレは宗教なんか嫌いなんだけどな…。

オレは宗教が嫌いだ

オレは宗教というものが基本、嫌いです。

前にオレのお母が病気を患っている時、とある宗教の信者だった知り合いが勧誘してきました。

「祈れば治る」

そんなことを言ってました。

でも間もなく、お母は亡くなった。

その時に知り合いは言いました。

「祈らなかったからだ」

もともと宗教というものがあまり好きではありませんでしたが、この言葉で完全に嫌いになった。

祈らなければ、治らない。

オレも家族も、もちろん祈ってました。

お母も、まだ生きたいと必死に祈ってた。

でもその祈りが、特定の神様なり、仏への『お願い』じゃなければ、『祈らなかった』ことになるらしいんですよ。

神は自分に祈らなければ、救わないらしい。

ただただ驚いた。

でも宗教すべてが悪いとは思いません。

むしろ信じることで心が救われるなら、本当に素晴らしいことだと思う。

生きていく希望にもなる。

実際、救われている人が多くいるからこそ、宗教はなくならないんでしょう。

でもさ、知り合いの神様。

せめて信じることができるまで、お母の命を繋いでくれるくらいの時間の余裕をくれませんかね?

そんくらいの慈悲もないのか?

なら用はねえわ、使えねえ神様だな

なぜか彼女の家族とご対面

話はだいぶそれましたが…。

大嫌いな宗教の集会への誘いだったけど、超有名なその宗教がどんなもんなのか、とりあえず見てみることにしました。

到着し、会場に入ろうとすると、

「おーい、M。来てたのか!」※Mは彼女の名前

突然声をかけられました。

声の方を見ると、そこには知らない年配の夫婦と、高校生くらいの少女が立っていました。

「あ、お父さんも来てたの?」

彼女がそう言って驚いた。

お父さん!?

じゃ、あの3人は家族か。

オレは会うのは初めてでした。

彼女に紹介されたところによると、年配の夫婦は両親で、少女は妹だということでした。

まさか家族と会うことになるとは思ってなかったので、正直ビックリ。

気付かなかったけど、彼女の両親も信者なので、この可能性もあったんだよな。

笑顔で話す彼女と家族。

前回オレと会ったあとに、両親と再会してたみたいでなんだかちょっと安心しました。

はぁ、良かった。

親父さんの懐が深かった

みんなで会場に入ると、たくさん置いてあるパイプ椅子が目に入りました。

会場は100人くらい座れて、さらに数十人立って入れるくらいの広さ。

会場は思ったより広く、満杯でした。

みんなで隣同士にパイプ椅子に座り、オレの隣には彼女の親父さんが座りました。

「今日は娘に付き合ってくれてありがとな。宗教の集まりなんか、胡散臭いと思うだろ?当然だよな。申し訳ないけど、こんな世界もあるんだなーくらいに見てってくれな。興味なかったら寝ててもいいからさ」

その言葉に、ちょっとビックリしました。

ぶっちゃけ、どこかのタイミングで勧誘してきたり、この宗教がどれだけ素晴らしいのかを熱く語ってくるんじゃないかと思ってた。

でもそれどころか、自分から胡散臭いとか言い出す親父さん。

なんだかすごく、懐が深い親父さんだなーと思った。

集会は思った通りだった

座って間もなく始まった集会でしたが、内容は思った通りでした。

内容を簡単に言うと、信者が勧誘に成功した人数をお披露目して、それを称える会。

もう最初から最後まで、ほぼそれ。

この宗教は世界各地に支部があるらしく、ビデオで各地の同じような集会の模様を見せられたりもしました。

オレみたいな信者でない人から見ると、ただの1ヶ月の売上上位者の報告会に見えてきます。

どっかの会社の営業部かここは。

でも信者の人から見ると、全然意味が違うものになってくるみたいでした。

『勧誘成功の人数=その人が救った人数』

みたいにことなっていて、「勧誘ではなく救うための活動なんだよ」っていうことを言いたいらしかった。

多くの人を救ったんだから称えようじゃないかと。

『救った人数』が多かったのを称えられ、みんなの前でしゃべっていた人たちはみんな、自信に満ちあふれた顔をしていた。

そしてそのせいか、声がでかかった。

あんなにも力強く自信をもって生きられるなら、宗教も悪くはないのかもしれないと思ったりもしました。

疑わずに真っ直ぐに何かを信じて生きられるなら、それは幸せなことなのかなーと考えてみたり。

だけど真っ直ぐに信じるということは、同時に少し怖いなとも思いました。

『真っ直ぐに信じる』ということは、『疑わない』ということだからです。

『疑わず、真っ直ぐに信じる』というのは怖いことだ

世の中に『絶対に正しいもの』なんてありません。

だからこそ人は迷い、疑い、落ち込んだり悲しんだりもする。

だけど迷ったり疑ったりして『自分で考える』ことで、良い方向に行けることもあるんです。

例えばカーナビが「絶対正しい」と信じて車を走らせていたとして、その信じていたカーナビの地図が古いものだったら、目的地へはたどり着けない可能性があります。

それどころか、険しい山道に誘導されてガス欠になったり、ようやくたどり着いたのに目的地がすでに存在していなかった、なんて可能性すらある。

だけどどこかの時点でカーナビを疑って自分で考えていれば、それは回避できたはずです。

『真っ直ぐに信じる』ということは、自分で考えることをやめるのと似ていて、周りにあるはずのいろんな可能性を捨てることでもあります。

だから怖い。

信じる相手がカーナビの「次を右です」とかならまだいいけど、神様みたいなものを真っ直ぐに信じて、もしかして「そこの崖を飛び降りなさい」と言われたらどうするんだろう。

怖くないですかこれ

疑わずに真っ直ぐに信じることの怖さみたいなものを、今回の集会で感じました。

正解を見つけるのは自分

集会が終わったあとに、両親に自宅でメシを食べていかないかと誘われました。

少し迷ったけど、せっかくなのでお言葉に甘えることにしました。

美味しい夜ご飯をご馳走になり、人見知りのオレにしては珍しく、とても楽しい時間でした。

親父さんがこんなことを言ってました。

「俺はこの宗教の教えを信じてる。なぜかっていえば、俺も妻も救われたからだ。でも他の人が同じように救われるかどうかは分からない。それに俺が他人を救えるくらい、できた人間とも思わない。だから誰にもこの宗教だけを信じろとは言えない。世の中にたくさんあるだろ、宗教なんて。自分の信じれるものを信じればいいんだよ。誰かの教えじゃなくても、自分を信じてもいい。最後に正解と思えるものを見つけるのは結局、自分だからな」

この言葉を聞いて、なんだか宗教じゃなくて、人生の話をしてくれてる気がした。

勧誘は一切ありませんでした。

宗教すべてを、そして信者の人たちすべてをみんな同じものとして毛嫌いしていた自分が、ちょっと恥ずかしいなと思った。

親父さんと話せて良かったなぁと思います。

最後に

本来の教えは分からないけど、『信じないなら救われない』系の宗教が多いし、勧誘ばかり力を入れているものが多くてやはり宗教は好きにはなれません。

でも中には本当に救われている人もいるし、信じることじたいは悪いことではないんだなぁ、と思いました。

むしろひとつくらい、信じるものがあった方がいいのかもしれない。

信じすぎて自分で考えないのは絶対にだめだと思うけど。

たまには見たことのない世界を見てみるのも、悪くないですね。

ちなみに女友達は、

「よく考えたら勧誘して成功したのを褒めてるだけの集会だよね。わたしもう行くのやめようかな」

と言っていて、それに対して親父さんが、

「いいんじゃねーか?無理して行くことはねーと思うぞ」

と言ってました。

ミクジン
ミクジン

ええ親父さんやん…

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