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ハンター名がバレないようこの記事では実名を伏せており、「アレ」がなんなのかも直接言いません。それを踏まえてお読みください。
寝ぐせの王様、ミクジンです
すべての男子がそうだとは言いませんが…。
多くの男子は子供の頃に「アレ」を連呼し、謎に爆笑した経験があるかと思います。
そういうオレもかつて、細◯いものを見るたびに「アレ」を連呼し、「アレ」が言いたくて言いたくて仕方ない時期がありました。
…いや、「時期がありました」というか、正直に言うと今でもなぜか言いたくて仕方ない時があります。
そのくらい「アレ」は男子にとって身近な存在であり、大事な存在でもあり、人生の伴侶のような存在。
しかしいくら大事な存在だからといって、
公の場ではなるべく言わない方がいい
というのも事実。
ましてや、ゲームのキャラに「アレ」を名前として入れるなど、憧れはしましたが、子供の頃のオレでも躊躇する行為です。
だけど世の中にはいるんですね…。
勇者が…
これは「アレ」をハンター名に入れてしまった、勇者に出会った時の話です。
夕暮れ時に現れた勇者
2023年10月某日。
オレは狩猟を行うため、とある大きな公園に来ていました。
そこは大きな木がたくさん並び、気持ちのいい秋の風と、ゆったりとした時間が流れる狩りに最適な場所。
到着したのはお昼前だったのですが、いつの間にか日が暮れ始め、夜が近づいていました。
「いい狩りだった。ありがとう、また来るよ」
オレは公園に感謝しつつ、駐車場へと進路を変えました。
しかしその時、スマホが一瞬震え、聞き覚えのある効果音が鳴ったのです。
モンハンNowの画面を見ると、知らないハンターさんから狩りのお誘いが。
ふふっ、みんな楽しくて、狩りたくて狩りたくて仕方ないんだな。
オレは即座に参加し、誘ってくれたハンターさんの名前をチラッと見ました。
!?
おい待て…今もしかして「アレ」が名前に入ってなかったか?
思わず二度見したのですが、すぐさま狩猟開始となり、☆5レイギエナとのバトルが始まってしまいました。
だめだ…本当に「アレ」かどうか、確認しないと戦闘に集中できない…!!
その時、かつてないハンター名に戦慄が走り、オレの両足は立つのもやっとなほどに震えていました。
勇者かどうか…確認しないと!!
本物の勇者
あ…あああああああ…!!
あらためてローマ字を読んでみた結果、彼は間違いなく、正真正銘の勇者でした。
しかもただの勇者ではありません。
「アレ」に「お」を付けて呼んでいる、心優しき勇者だったのです。
ただでさえおっきい声で言えない「アレ」を名前として堂々と使用し、かつ「アレ」に「お」を付けて丁寧に呼んでいる…。
常人にはできないその勇気と気配りはまさに、勇者と呼ぶにふさわしい…!!
ああ勇者よ…!!
あなたが今突き出しているのが名前の「アレ」なのか、自分の「アレ」なのかはオレには分かりません。
だけど今日あなたに会えたことは、心から誇りに思います。
オレが子供の頃に何度も躊躇し、ゲームのキャラ名にできず「恥ずかしい」と思っていたその名前。
もしかしたら、本当に恥ずかしかったのは名前ではなく、相棒を「恥ずかしい」と思う自分自身だったのかもしれない。
「その名前」を堂々と付けたあなたを、生涯忘れることはないでしょう。
勇者と共に無事レイギエナを狩ったオレは、空を見上げていました。
間もなく日が暮れる。
「これからもよろしくな」
今まで言ったことのない言葉を、オレは自分の「アレ」に向かって言っていました。
オレはまだまだおっきい声では言えないし、ハンター名にすることもできそうにない…。
だけど、お前はオレの大事な相棒だよ。
「さぁ帰ろうか」
もう、足の震えは止まっていた。
了
すいません…