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寝ぐせのなおらないミクジンです。
このブログで浮気された話を書きましたが、このあとオレはストレスからか一睡もできなくなりました。
ずっと眠いのに眠れない。
仕事中も頭の中はからっぽで、ただただ眠い。
仕事が終わって重い体を引きずって布団に倒れ込んでも、それでもほぼ眠れない。
無駄に時間だけがあって、いろいろ考えて落ち込み…そのまま朝を迎える。
それが長いこと続きました。
このままでは死んでしまうと思った。
いや、別にもう死んでもよかった。
そのくらい生きることがただ、苦しかった。
ストレスを吐き出せば治るのかな。
そう思い、すがる気持ちで「いのちの電話」等に電話してみたけどまったく繋がらず。
カウンセリングを受けようとすると、予約待ちで半月後と言われる。
病院に行こうかと思ってもやはり予約が必要ですぐには無理でした。
この世にはもう、なんの希望もないんだと思いました。
薬剤師の兄さん
精神的に最後の方まで追い詰められていた時、いつも行っているドラッグストアである商品を見つけたんです。
商品の名前は『リラックスナイト』
薬ではないので依存性や中毒性はなし。
なので安心して続けられます、と大きい広告とともに置いてあった。
よく分からないのでじっくり商品を見てると、薬剤師の若い兄さんが話かけてきました。
「眠れないんですか?」
よく行く店だったけど、話かけられたのは初めてでした。
「まったく眠れてなくて。病院に行こうかと思ってたところなんです」
「それは大変ですね。失礼ですけど、ストレスになることでもありましたか?」
「ええ、ストレスが原因だと思います」
「そうですか…大変ですね、実は僕もストレスで眠れなくなることがあるので。ほんとに苦しいなら病院に行った方がいいとは思いますが、とりあえず市販の物で試すという手もありますよ、手軽に試せますから」
兄さんは恥ずかしそうに苦笑いしながら言いました。
「眠っている間にストレスを解消しようと体ががんばるんですが、ストレスで眠れないと、それがまたストレスになるという悪循環に陥るんです。なので眠ることができれば、眠気とストレスが一緒に改善されることも多いんですよ」
そう言って兄さんはリラックスナイトの説明をしてくれました。
箱に書いてあった通りリラックスナイトは薬ではないこと、眠りの質を上げてくれること、ストレスからくる胸の苦しさも軽減してくれること。
そして実は薬剤師の兄さんも使ってること。
使用量の目安は寝る30分前に1袋だけど、ストレスがひどい兄さんは2袋飲んでちょうどいいってこと。
「え、2袋飲んでも大丈夫なんですか?」
オレはビックリして聞いた。
「薬じゃないので2袋くらいなら大丈夫なんですよ。僕はそれでちょうどいいみたいです。でも逆に薬ではないので、強い効き目はありません。飲んでも効かないと思ったら、やはり病院に行くのが一番だとは思います。何か今現在飲んでいる薬はありますか?」
「いえ、ないです」
「それじゃ2袋飲んでも問題ないです」
兄さんは笑顔で言った。
「じゃあとりあえず試してみます」
他にすがるものがなかったので、オレは買ってみることにしました。
病気は治る
その後、薬用のレジで兄さんに会計してもらっていると、兄さんが突然、
「ちょっと待ってくださいね」
後の棚から紙コップと何かの粉末を出してきました。
紙コップにお湯をつぎ、粉末を入れる。
それをオレに渡す。
なんだこれ…?
「漢方の人参てあるじゃないですか。これはそれを溶かしたものです。 新陳代謝を促して、胃の働きもよくしてくれるのでストレスからくる食欲不振にも効果が…とかもっともらしい説明もありますが、簡単に言うと元気が出る飲み物です!おまけですので、さあぐいっと飲んでください」
ニコニコ笑う兄さん。
それを聞いた時、不思議だけど少しだけ笑った自分がいました。
笑うことなんか完全に忘れてたのに。
「ありがとうございます」
オレが『元気の出るお湯』を飲んでいると、兄さんが今度は斜め後の商品の棚から10本パックのドリンクを取り出した。
そして、ビニールを破って2本をリラックスナイトと同じ袋に入れる。
え?え?
「これもおまけしときます。今飲んだものの濃いやつです。どうしても元気が出ない時に飲んでください。ストレスは心の疲れです。体もそうですが、心だって疲れがたまると病気になります。でも、病気は治るんですよ。だからお互いがんばりましょう」
ほんと恥ずかしい話なんだけど、それを聞いて突然、涙が出そうになった。
必死で耐えた。
事情もよく分からないのに、なんでそんなに親切にしてくれるんだろう。
この世なんてクソなことばっかりだと思ってたのに、それなのに。
全身をぐるぐるぐるぐると回ってオレを苦しめているすごく重たいものが、ちょっとだけ軽くなった気がした。
あんまり兄さんを直視できないまま、オレはお礼を言って家に帰りました。
世の中捨てたもんじゃない
薬剤師の兄さんに言われた通り、寝る30分前くらいにリラックスナイトを2袋飲んでみました。
すると、ほんの3時間くらいだけど本当に眠ることができたんです。
たったの3時間…だけど、1ヶ月以上寝れても数十分だった自分にとっては、目覚めた時の気分が全然違った。
相変わらず体の重さも胸の苦しさもあったけど、眠る前とは全然違ったんです。
これがリラックスナイトの効果なのか、薬剤師の兄さんとのやり取りのおかげなのかは分かりません。
もしかしたら両方のおかげかも。
あれ以来、あのドラッグストアに行くたびに薬剤師の兄さんが話かけてきます。
「調子はどうですか?」
「眠れてますか?」
それを聞くたびに、感謝と共に思います。
世の中捨てたもんじゃねーな、と。
ありがとう
おかげで少しずつだけど眠れる時間が増え、今ではちゃんと眠れるようになりました。
いや、眠りすぎなくらいかも。
それと平行するように胸の苦しさも少しずつ軽くなりました。
受け入れられなかったものを、少しずつ受け入れることができるようになったのかな。
眠れるってことはほんとに大事なことなんだなと実感しました。
薬剤師の兄さんとリラックスナイトに出会ってなかったら、オレは死んでたんじゃないかなあと思う。
本当にありがとう。
ちなみにあの時にくれたドリンク、あとで見たら1本1000円もするやつだったよ。
いのちの電話各所ってどこも本当に繋がりにくいんですよね。
気軽に掛けてって書いてあるのに。
話し中の電子音や、お断りの電子メッセージで孤独感が更に増したり。
「しばらくしてからお掛け直しください」を鵜呑みにしてしばらくしてから掛け直しても、なかなか繋がらない。
時間や曜日も限られていたり。
カウンセリングも心療内科も予約が取れない。気軽に来てって書いてあるのに。
心理系の民間サービスはびっくりするほど高額で、金欠時にはとても受けられなかったり。
この世にどんだけ弱った人間がいるんだと感じて、気持ちがますます絶望的になったりしますよね。
助ける立場の人も手一杯で、自分が入る隙間なんてなくて、自分が助けを求めてもムダなんだと感じたりして。
やっと繋がっても、自分の説明に疲れたり、逆に会話で疲れてしまったり。
死にたい正にその時に効く特効薬なんてどこにも無いんだなあと思います。
薬剤師のお兄さんも、辛さのどん底のどん底をじっと見ているから、人にそんなに優しく出来るんかな……と勝手に想像しました。
そんな優しい人達が手を取り合って、まったり生きていけたら良いなとしみじみ思います。