
寝ぐせの王様、ミクジンです
この記事はオレの心に響いたものを勝手に書きなぐるシリーズです。
今回は『からくりサーカス』7巻から、サーカス好きなおじいさんに少女が言った言葉について書きなぐりたいと思います。
目次
サーカス好きなおじいさん
この巻で『仲町サーカス』という貧乏なサーカス団が、とある町の公園でサーカスの公演を行います。

しかし貧乏ゆえにテントもなく、客席はビニールシートを敷いた程度のサーカスとは思えないような雰囲気。
集まった人たちの中には「本当にこんな感じでサーカスなんかやるんだろうか」という声もちらほら出ていました。

そんなお客さんの中に、昔からサーカスが好きで今日の公演を楽しみにして来たおじいさんの姿がありました。
何も言わず、座って開演を待つおじいさん。

開演前のこんな感じで、ずっとサーカスを見てきたおじいさんが喜ぶようなサーカスができるんだろうか…そんな不安な声も聞こえる中、サーカスは開演となりました。
しかし。

終わってみれば公演は大成功。
お客さんの笑顔と拍手が鳴り響きました。

そんな中、おじいさんがあまり笑ってなかったみたいだと心配する子供。

おじいさんが帰る姿に気付いた子供は、おじいさんの後を追います。
そこで子供が見たものは…。


…このシーンを見て、なんだかすごくあったかい気持ちになったんですよね。
なに考えてるのか分からない人
おじいさんは、見た目ではあまり楽しんでいるようには見えなかったかもしれません。
でも実はちゃんと楽しんでいて、最後はちょっとだけ本当の気持ちを知ることができました。
これは子供が最後までおじいさんを見ていたから気付いたことで、もし見ていなかったら心配したまま終わっていたかもしれません。
現実にはこんな感じで、感情をそのまま表に出せない人や、出していても違うようにとらえられてしまう人が存在します。
そんな人は時に誤解を生んだり、よく分からないゆえに煙たがられたりします。
オレもちょっとそんなところがあって、特に子供の頃は「何考えてるのか分からない」と言われたこともあるし、もしかしたらそれがいじめられたひとつの原因だったのかなぁ、なんて思ったりもします。
でも本人は好きでやってるわけでもないし、なんなら「なんで自分はこんななんだろう」と悩んでたりもするんです。
それが続くうちにいつしか諦め、心を閉ざすことで前よりさらに『なに考えてるのか分からない人』になってしまうこともある。
難儀な性格だなぁと自分で思いますが、なかなか性格を治すのって難しかったりするんですよねこれが…。
オレも将来あのおじいさんみたいになりそうだなぁなんて思います。
「分からない」じゃなく「分かりたい」と思える人に
少女はおじいさんがどんなふうに感じたのか気になり、最後まで見届けました。
初めにも言いましたが、おじいさんが喜んでいたことが分かったのは、少女が最後まで見届けたからです。
そして少女がそうしたのは、おじいさんのことを『分かりたい』と思ったから。
「何を考えてるのか分からない」で終わらせず、「あの人はそんな人だから放っとけ」でもなく、おじいさんがどう感じたのかちゃんと分かりたくて見届けた少女。
『分かろう』としてくれる子供を見て、なんだか自分のことのように嬉しくて、すごくあったかい気持ちになりました。
おじいさんもきっと、嬉しかったんじゃないかなぁ。
だからきっとおじいさんは少女を見て、ちょっとだけ気持ちを出しておどけて見せたんだと思います。
「大丈夫だよ」
「ほら、こんなに楽しい気持ちになれたんだよ」
「ありがとう」
オレにはおじいさんがそう言っているように見えました。
オレも「分からない」じゃなく、「分かりたい」って思えるような人になりたいなぁ。
あの少女みたいに。